パート薬剤師として、週に何日、1日何時間働けば、必要な収入を得られるのか。
休息や家事、育児、趣味の時間を確保したいと思っても、希望する勤務量でどのくらいの収入になるかが分からなければ、求人を探す条件も決めにくいものです。
この記事では、週2~5日、1日4・6・8時間働いた場合の額面月収と額面年収を、時給2,000円として試算します。
時給2,000円は、薬剤師パートの平均時給や保証額ではなく、勤務日数と勤務時間による収入の違いを比較するための仮定です。
収入表と、希望する年収から勤務時間を逆算する方法を使い、生活費や将来への備えに必要な収入と、無理なく続けたい勤務量を照らし合わせていきます。
パート薬剤師の時給は、勤務先や条件によって異なる
薬剤師パートの時給は、地域や勤務先、仕事内容、勤務する時間帯などによって異なります。
経験や担当する業務によって、提示される条件が変わることもあります。
参考として、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、2025年の賃金構造基本統計調査をもとに、薬剤師の短時間労働者の時給を全国平均2,540円としています。
残業代や賞与を含まない金額です。
ただし、これはさまざまな経験や勤務条件の人を含む平均であり、自分が応募する求人の時給を示すものではありません。
この記事の収入表では、勤務日数と勤務時間による違いを比べるため、時給2,000円を使います。
平均時給や、必ず得られる時給という意味ではありません。
希望する地域や時間帯の求人が見つかったら、実際の提示時給に置き換えて計算すると、自分の条件に近い収入の目安になります。
時給2,000円で月収・年収を試算する条件
収入表では、時給2,000円、週2・3・4・5日、1日4・6・8時間の組み合わせで、額面月収と額面年収を計算します。
計算式は次のとおりです。
- 額面年収=時給×1日の実働時間×週の勤務日数×52週
- 額面月収=額面年収÷12か月
実働時間に休憩時間は含めません。
1年を52週として、毎週同じ勤務時間分の賃金が発生するものとします。
欠勤や無給の休日による収入の減少は反映していません。
また、残業代・賞与・各種手当・交通費も含めていません。
月収は、年収を12か月で割った平均額です。
実際の月ごとの給与は、勤務日数や勤務先の給与計算方法によって変わります。
いずれも、税金や社会保険料などが差し引かれる前の額面収入です。
手取り額との違いは、後の区画で説明します。
求人票などで時給が分かっている場合は、計算式の「時給」をその金額に置き換えることで、自分の条件でも試算できます。
週2~5日で働いた場合の月収・年収
時給2,000円で、週2~5日、1日4・6・8時間働いた場合の額面収入は、次のようになります。
1か月あたりの額面収入
| 週の勤務日数 | 1日4時間 | 1日6時間 | 1日8時間 |
|---|---|---|---|
| 週2日 | 約6万9,300円 | 10万4,000円 | 約13万8,700円 |
| 週3日 | 10万4,000円 | 15万6,000円 | 20万8,000円 |
| 週4日 | 約13万8,700円 | 20万8,000円 | 約27万7,300円 |
| 週5日 | 約17万3,300円 | 26万円 | 約34万6,700円 |
月収は、年間を通して同じ条件で働いた場合の額面年収を12か月で割り、100円未満を四捨五入した金額です。
1年間の額面収入
| 週の勤務日数 | 1日4時間 | 1日6時間 | 1日8時間 |
|---|---|---|---|
| 週2日 | 83万2,000円 | 124万8,000円 | 166万4,000円 |
| 週3日 | 124万8,000円 | 187万2,000円 | 249万6,000円 |
| 週4日 | 166万4,000円 | 249万6,000円 | 332万8,000円 |
| 週5日 | 208万円 | 312万円 | 416万円 |
この試算では、1週間の実働時間が同じであれば、勤務日数と1日あたりの時間が違っても収入は同じになります。
たとえば、週3日・1日8時間と、週4日・1日6時間は、どちらも週24時間です。
額面月収は20万8,000円、額面年収は249万6,000円となります。
同様に、週2日・1日8時間と、週4日・1日4時間は、どちらも週16時間です。
額面月収は約13万8,700円、額面年収は166万4,000円となります。
ただし、収入が同じでも、1日の勤務時間を長くする場合と、勤務日数を増やす場合では、体力面の負担や通勤回数、休日の取り方が異なります。
必要な収入に届く組み合わせを見つけたら、家事や休息、趣味などに使いたい時間も確保できるかを考えると、自分の生活に合う勤務量を選びやすくなります。
希望する年収から勤務日数と勤務時間を逆算する
希望する額面年収が決まっている場合は、必要な勤務時間を逆算できます。
- 1週間に必要な実働時間=希望する額面年収÷想定時給÷52週
- 1日あたりに必要な実働時間=1週間に必要な実働時間÷週の勤務日数
たとえば、時給2,000円で額面年収250万円前後を目安にする場合、必要な勤務時間は週約24時間です。
週3日・1日8時間や、週4日・1日6時間で、額面年収249万6,000円になります。
1日の勤務時間を短くしたいのか、仕事のない日を多く確保したいのかによって、選びたい組み合わせは変わります。
計算上の勤務量を、そのまま求人を探すときの候補として使えます。
一方、必要な収入がまだ分からない場合は、まず次のようなお金を整理すると考えやすくなります。
- 普段の生活費
- 車や家電の買い替えなどに備えるお金
- 将来に向けて貯蓄や積立に回したいお金
ここで整理するのは、実際に使ったり残したりしたいお金です。
その合計と同じ額面収入があっても、税金や社会保険料などが差し引かれるため、必要な手取り額に届くとは限りません。
私が生活費と積立額から必要な収入を考えた過程は、「パート薬剤師の勤務日数をどう決める?生活費と積立額から考えた私の例」で整理しています。
必要な収入を得るための勤務量と、無理なく続けたい勤務量が合わない場合は、支出を見直す、時給の異なる求人を比較する、勤務日数や時間を調整するなど、条件を考え直すことになります。
まずは「必要な収入」と「生活の中で確保したい時間」を分けて整理し、両方を満たせそうな勤務条件を探していきます。
次の区画では、その判断に必要な額面と手取りの違いを確認します。
額面収入と手取りは同じではない
ここまでの収入表は、税金や保険料などが差し引かれる前の額面収入です。
実際に給与として受け取る手取り額は、次のように考えます。
- 手取り額=総支給額-税金・社会保険料など
給与から差し引かれる可能性がある主な項目は、次のとおりです。
- 健康保険料
- 厚生年金保険料
- 雇用保険料
- 所得税
- 住民税
実際に差し引かれる項目や金額は、社会保険への加入状況、収入、年齢、扶養状況、各種控除などによって異なります。
所得税は、毎月の給与から源泉徴収され、年末調整などで精算されます。
住民税の所得割は前年の所得をもとに計算されるため、働き始めた年と翌年以降で負担が変わることもあります。
健康保険・厚生年金保険は、勤務先や所定労働時間などの加入要件を満たす場合に加入する制度です。
雇用保険には別の加入要件があり、どちらも希望だけで加入・未加入を選ぶものではありません。
また、給与から差し引かれていなくても、税金や国民健康保険料、国民年金保険料などを自分で納める場合があります。
家計を考えるときは、給与の振込額だけでなく、別に支払う負担も確認する必要があります。
こうした違いがあるため、この記事では一律の手取り額を示していません。
求人を検討するときは、提示時給で額面収入を計算したうえで、社会保険への加入や税金の負担を確認し、生活費と貯蓄・積立に回せる金額を考えます。
社会保険の加入条件については、「パート薬剤師は社会保険に入れる?加入条件と週3日・週24時間で加入した実例」で詳しく整理しています。
参考:
時給と職場条件を一緒に確認する
希望する勤務日数と勤務時間が見えてきたら、その条件に合う求人を探します。
このとき、時給とあわせて確認したいのは、生活の中で続けられる勤務条件かどうかです。
- 希望する曜日・日数・時間帯で働けるか
- 残業はどの程度あり、予定の時間に退勤できそうか
- 通勤にどのくらい時間がかかるか
- 自分が働く時間帯の業務量や人員配置はどうなっているか
- 将来、勤務日数や時間を変えたい場合に相談できるか
たとえば、1日6時間の勤務でも、長い通勤や残業が加われば、仕事のために使う時間は増えます。
時給だけでなく、家を出てから帰るまでの時間も考えると、生活との両立を想像しやすくなります。
また、求人票の「週3日から相談可」という記載だけでは、自分が希望する曜日や時間帯で働けるかまでは分かりません。
希望条件を具体的に伝えて確認することが必要です。
実務未経験やブランクがある場合は、自分の経歴でも応募できるかに加え、仕事の教わり方や、勤務中に質問できる相手がいるかも確認します。
短時間勤務なら、教えてくれる人と勤務時間が重なるかも確認したい点です。
応募前に確認したい教育体制については、「薬剤師免許はあるけど実務未経験でも働ける?初めての職場選びと応募前の確認点」で詳しく整理しています。
必要な収入を得られることと、希望する生活を続けられること。
その両方を確かめながら、応募先を考えていきます。
収入と続けやすさの両方から働き方を選ぶ
パート薬剤師の収入は、時給だけでなく、週の勤務日数と1日あたりの実働時間によって変わります。
同じ収入になる組み合わせでも、勤務日数を少なくして休日を確保するのか、1日の勤務時間を短くするのかによって、生活時間の使い方は異なります。
働き方を考えるときは、次の順番で条件を整理できます。
- 生活費や将来への備えに必要な手取り額を整理する
- 続けられそうな勤務日数と勤務時間を考える
- 実際の求人時給で額面収入を計算する
- 税金や社会保険料を踏まえ、必要な手取り額に届くか確認する
- 通勤や残業、業務量なども含めて職場条件を確認する
収入表は、勤務条件を考えるための出発点です。
必要なお金と、休息・家事・育児・趣味などに使いたい時間を照らし合わせることで、自分が希望する働き方を具体的にできます。
勤務日数による生活の違いを知りたい場合は、「パート薬剤師の週3勤務と週4勤務。1日の差は思ったより大きかった」で、私が感じた収入・時間・疲労の変化を紹介しています。
希望する勤務量が見えてきたら、次は職場選びです。
「パート薬剤師の職場選び|消耗を減らすために重視した3つの条件」では、私が無理なく働き続けるために重視した条件を整理しています。
どのくらい稼ぎたいかと、どのように暮らしたいか。
その両方から、勤務日数と時間を考えてみてください。

