パート薬剤師が勤務先の社会保険の加入対象になるかは、勤務時間・日数や勤務先の条件によって決まります。
社会保険に加入して働きたい人も、加入対象にならない範囲で働きたい人も、求人を選ぶ前に条件を確認しておくことが大切です。
この記事では、加入要件と今後の制度変更を整理し、希望する働き方に合わせて、求人・面接・入職前に確認するポイントを紹介します。
まずは、下のフローチャートで加入条件を確認してみてください。
※この記事では、勤務先の健康保険と厚生年金保険をまとめて「社会保険」と表記します。
制度の説明は、2026年10月11日時点の日本年金機構・厚生労働省の公表情報に基づきます。

フローチャートの補足
勤務時間・日数の見方
「所定労働時間・日数」は、雇用契約書や就業規則などで定められた時間・日数です。
4分の3基準では、同じ事業所で同様の業務に従事する通常の労働者と比べます。
契約上は週20時間未満でも、実際の労働時間が2か月連続で週20時間以上となり、その状態が続く見込みで、ほかの加入条件も満たす場合は、3か月目の初日から加入対象になります。
「51人以上」の数え方
店内の従業員数ではなく、短時間労働者を除く厚生年金保険の被保険者数で判断します。
法人の場合は同じ法人の適用事業所を合計し、個人事業所の場合は事業所ごとに数えます。
「常時51人以上」は、1年のうち6か月以上、51人以上となる見込みがあることを指します。
「任意特定適用事業所」とは
企業規模の基準を満たさなくても、労使の合意に基づく申し出により、短時間労働者も社会保険の加入対象としている事業所です。
加入対象と判定された場合
原則として加入が必要です。本人や勤務先の希望だけで、加入しないことを選ぶものではありません。
加入対象外と判定された場合
勤務先の社会保険に加入しないことと、配偶者の扶養に入れることは別です。
扶養内で働きたい場合は、配偶者が加入する健康保険の認定条件も確認してください。
※70歳以上の人、日雇い・季節的な雇用などの特殊な契約、最低賃金の減額特例許可を受けて働く人などは、勤務先や年金事務所へ個別に確認してください。
短時間労働者が社会保険の加入対象となる勤務先は、今後さらに広がる
短時間労働者の加入に関わる企業規模要件は、次の予定で段階的に縮小・撤廃されます。
| 時期 | 厚生年金保険の被保険者数による企業規模の基準 |
|---|---|
| 2027年9月まで | 51人以上 |
| 2027年10月から | 36人以上 |
| 2029年10月から | 21人以上 |
| 2032年10月から | 11人以上 |
| 2035年10月から | 企業規模要件を撤廃 |
週20時間以上などの本人側の条件を満たす人は、小規模な勤務先でも段階的に加入対象になります。
出典:厚生労働省「パート・アルバイトの方への社会保険の適用について」
希望する働き方ができるか、応募前と入職前に確認する
社会保険に加入して働きたい場合も、加入対象にならない範囲で働きたい場合も、希望する勤務日数・時間を具体的に伝え、その条件での取り扱いを確認します。
確認する点は以下の通りです。
- 希望する勤務日数・時間で、社会保険の加入対象になるか
- 加入対象になる場合、入職時から加入するか
- 追加勤務やシフト変更によって、加入の扱いが変わる可能性はあるか
私も、週3日・1日8時間、週24時間で働くことを伝え、入職時から加入対象になると確認したうえで働き始めました。
採用後には、労働条件通知書などの書面でも勤務条件と社会保険の加入について確認しました。
加入対象にならない範囲で働きたい場合は、今後の制度変更にも注意が必要です。
現在は対象外でも、企業規模要件の変更によって、同じ勤務条件のまま加入対象になる場合があります。
求人ごとの条件を自分だけで調べるのが難しいときは、希望する勤務量と社会保険の加入について、転職エージェントに伝えて相談する方法もあります。
私はエージェントを利用せずに転職しましたが、利用した友人が受けた支援との違いは、パート薬剤師の職場選び|転職エージェントを使った友人と使わなかった私の比較にまとめています。
大切なのは、希望を伝えるだけでなく、実際の契約条件でどう扱われるかまで確認して職場を選ぶことです。

