薬剤師免許はあるけれど、実務経験がない。
あるいは、以前は働いていたものの、長く現場から離れている。
これから仕事を始めたいと思っても、何から手をつければよいか迷うことがあると思います。
この記事では、希望する働き方を考えるところから、求人探し、応募、入職後までを、次の5段階に分けて紹介します。
| 段階 | 進めること |
|---|---|
| ① 働き方を考える | 働ける日数・時間と、必要な収入を整理する |
| ② 求人を探す | 自分の経験と希望条件を伝え、応募できる求人を探す |
| ③ 職場を比べる | 集めた情報を比較し、応募する職場を決める |
| ④ 応募から入職へ進む | 見学や面接で不明点を確認し、入職前に契約条件を確かめる |
| ⑤ 働きながら調整する | 教わりながら仕事を覚え、勤務量や生活とのバランスを見直す |
各段階の要点を短くまとめました。
詳しい説明や私の経験は関連記事をご覧ください。
① 働ける日数・時間と、必要な収入を整理する
まずは、今の生活の中で働ける日数と時間、仕事から得たい収入を整理します。
- 勤務日数・時間:週に何日、何時から何時まで働けるか
- 通勤時間:家事や休息の時間も含め、どこまで通えるか
- 必要な収入:生活費やまとまった支出への備え、積立にいくら必要か
最初は大まかな希望で構いません。
まず、「譲れない条件」と「求人を見ながら調整できる条件」に分けます。
そのうえで、条件に合う候補が複数あった場合に、何を優先して選ぶかも考えておきます。
たとえば、「必要な収入と勤務できる時間帯は必須。その条件を満たす職場の中では、教育体制、通勤の短さ、給与の高さの順に重視する」と整理します。
この優先順位を、候補同士を比較して応募先を決めるときに使います。
私も、生活費と積立額から必要な収入を考え、働き始めてから勤務日数を調整しました。
その考え方は、パート薬剤師の勤務日数をどう決める?生活費と積立額から考えた私の例にまとめています。
パート勤務を考えている場合は、パート薬剤師の年収早見表で、希望する日数・時間に応じた額面収入の目安を確認できます。
あわせて、社会保険の加入対象になるかも確認します。
勤務条件と加入の関係は、パート薬剤師の社会保険加入条件|勤務時間・日数と職場選びの確認点で整理しています。
働ける時間で必要な収入を得られそうかを見ながら、求人を探すための条件を仮決めします。
② 自分の経験と希望条件を伝え、応募できる求人を探す
希望する働き方が見えてきたら、自分の経験で応募できる求人を探します。
「未経験可」「ブランク可」を手がかりに、求人票の応募条件や仕事内容を確認します。
相談や問い合わせの際には、勤務日数・時間などの希望に加え、次のことを伝えます。
- これまでの経験:薬剤師として働いた経験や、担当していた業務
- 仕事から離れていた期間:ブランクがある場合は、その長さ
- 教わりたいこと:機器の操作や調剤の手順など、不慣れな業務
- 不安なこと:一人での対応や、仕事についていけるかなど
複数の応募先に問い合わせるには労力と時間がかかるため、この段階から転職エージェントへの相談をおすすめします。
経験と希望条件を伝え、応募できる求人の紹介や、教育体制の確認を依頼しましょう。
希望が固まっていない部分も、相談しながら整理できます。
私は知人の紹介で転職し、エージェントを利用する機会がありませんでした。
一方、利用した友人は、希望条件に合う求人の選定、履歴書作成の支援、面接への同行などを受けていました。詳しくは、パート薬剤師の職場選び|転職エージェントを使った友人と使わなかった私の比較にまとめています。
この段階では応募先を一つに決めず、経験と希望条件に合いそうな候補を集めます。次に、実際の仕事内容や教わる環境を比べていきます。
③ 候補を比較し、応募する職場を決める
候補が集まったら、求人票や問い合わせで得た情報を、同じ項目で並べて比較します。
希望条件に合う候補の中から、より自分に合う職場を選ぶ段階です。
| 比較する項目 | 候補同士で比べること |
|---|---|
| 仕事内容 | 最初に担当する業務や、その後に任される範囲 |
| 教育体制 | 教える担当者や方法、経験・習得状況に応じた進め方 |
| 人員配置 | 勤務時間帯の薬剤師数、相談のしやすさ、一人で対応する場面 |
| 勤務条件 | 給与、勤務日数・時間、残業、通勤、社会保険など |
すべての項目で優れた職場が見つかるとは限りません。
給与は高いけれど通勤が長い職場と、給与はやや低くても通勤が短い職場が候補に残ることもあります。
そこで、最初に整理した希望条件の優先順位を使います。
必要な収入を確保したうえで通勤の短さを重視するのか、仕事を覚えるための支援をより重視するのかによって、応募したい職場は変わります。
エージェントを利用している場合は、候補ごとに魅力を感じる点と迷っている点を伝え、比較を手伝ってもらうとよいと思います。
私が職場選びで重視した条件は、パート薬剤師の職場選び|消耗を減らすために重視した3つの条件にまとめています。
候補同士の違いを比べ、自分が優先したい条件に合う職場を応募先として選びます。
④ 応募・見学・面接を進め、入職前に条件を確かめる
応募先が決まったら、応募書類を用意し、見学や面接へ進みます。
これまでの経験と希望する働き方、入職後に教わりたいことを、自分の言葉で伝えられるように整理しておきます。
見学や面接では、事前に聞いた仕事内容や教育方法について、実際に働く場面を具体的に聞きます。
可能であれば職場の様子も見て、自分がそこで働く姿を想像してみます。
たとえば、「入職直後の一日は、どのような流れになりますか」と聞くと、担当する仕事や教わり方を具体的につかみやすくなります。
説明を聞いて新たに気になった点や、事前の情報と違う点があれば、その場で確認します。
エージェントを利用している場合は、応募書類の作成や面接の準備についても支援を相談しましょう。
希望条件をどう伝えるか迷う場合も、担当者に相談しておくと話を整理しやすくなります。
採用の連絡を受けたら、入職を決める前に、労働条件通知書などの書面で最終的な条件を確認します。
- 勤務地と仕事内容
- 勤務日数・時間、休日、残業の扱い
- 給与と各種手当
- 契約期間と更新の条件
- 社会保険や試用期間の扱い
面接などで聞いた内容と異なる場合は、採用担当者やエージェントに確認します。
採用されたことだけで判断せず、条件に納得したうえで入職を決めます。
⑤ 教わりながら仕事を覚え、勤務量や生活とのバランスを見直す
入職後は、勤務先の機器や仕事の進め方を教わりながら、担当できる業務を増やしていきます。
私も、実務経験がほとんどない段階でパート勤務を始め、機器の操作から少しずつ仕事を教わりました。
教わった順序や、仕事を覚えるために役立った工夫は、実務未経験の薬剤師は最初に何を覚える?私が教わった仕事の順番にまとめています。
働き始めた後は、仕事の習得状況に加えて、収入や疲れ方、家事・休息に使える時間も振り返ります。
事前に考えた勤務量が、実際の生活に合っているかを確かめるためです。
勤務日数や時間を変えたい場合、勤務先に相談します。
私が週3勤務から週4勤務へ増やした際の変化は、パート薬剤師の週3勤務と週4勤務。1日の差は思ったより大きかったにまとめています。
働き始める前に、すべてを見通すことはできません。
まずは教わり、相談できる職場を選び、働き始めてからも自分の生活に合う働き方を考えていくのがよいと思います。
